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老舗食堂「あさひ」の後継者に協力隊を 更別村が募集

後継者として地域おこし協力隊を募集している「お食事処あさひ」の高木さん

 【更別】更別村は村内の飲食店「お食事処あさひ」の事業承継を目的に、研修などに取り組む地域おこし協力隊員1人を募集している。村では商店街の事業者の高齢化や後継者不在が課題となっており、今回の取り組みが新たな担い手の創出につながることを期待している。(近藤周)

 近年、村では地域に親しまれてきた商店や事業所が後継者不在を理由に閉業する事例がみられ、商店街や産業の衰退に危機感を募らせていた。地域おこし協力隊の制度を活用して事業承継を実現した陸別の事例を知り、村も今年度から導入することにした。

 村内事業者に聞き取りを行い、今年度は「お食事処あさひ」が手を挙げた。村と同店は8月に協定書を締結し、募集を開始した。

 同店は店主の高木修一さん(62)の母トキさん(故人)が1964年に開店。高木さんは20代のころから店を手伝うようになり、現在は妻の美恵子さん(58)と従業員の3人で店を切り盛りする。

 昼食時は看板メニューのあんかけ焼きそばや定食を求めて、多数が来店。地元農家向けに弁当を配達、村内企業の寮では夕食の提供も行っている。

 店の先行きを考えるようになったのは50代になってから。「地域の人に支えられてきたので簡単にやめるわけにはいかない」と調理場に立ち続けているが、年齢的に事業を引き継ぐことを望むようになった。「話題になることで、いろんな考えを持つ人に知ってもらえる」と、村の事業を活用することにした。

 メニューなど新しい提案・展開は歓迎。一方で「地域密着型の経営は続けてほしい」と語り、後継者が村内でネットワークを築くのに、全面的に協力する考えだ。

 隊員の募集は来年1月30日まで。並行し最長2泊3日の「事業承継おためし研修」の募集も行っている。村企画政策課は「村として今回の取り組みが事業承継の一つの手段となればうれしい」としている。

 問い合わせ、申し込みは同課(0155・52・2114)へ。

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  • 14席ある店内のカウンター席。2階には大部屋もあり、最大約80人が入れる

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