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ヒグマの捕獲、池田町がゾーニング両計画を策定

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 【池田】道内外でクマの人身被害が相次ぐ中、池田町鳥獣被害防止対策協議会(会長・安井美裕町長)は、ヒグマの捕獲計画と町内をエリア分けして対応するヒグマゾーニング計画を策定した。年間の目標捕獲頭数は昨年度実績と同じ5頭に設定した。「コア生息地」「緩衝地帯」など四つのゾーンに分けて、それぞれの対応を提示、目撃情報の多い三つの地区を重点エリアに位置付けた。(澤村真理子)

 町は今年度、国の新たな交付金を活用してヒグマ対策を進めている。事業実施に当たり、捕獲計画を策定した。

 計画では町内全域を捕獲区域に設定し、有害捕獲対策の実施を掲げた。道ヒグマ管理計画の推定個体数を基に、町内での生息数を30頭と推定。2020年以降、町内の捕獲頭数は0~1頭で推移していたが昨年度は5頭となり、過去5年の最大値を目標値とした。クマ1頭の捕獲につき8万1300円をハンターに交付する。

 人身事故を避けるため、クマと遭遇した際の緊急対応として「追い払い」の研修も盛り込んだ。

 ゾーニング管理は人と野生動物を住み分けする手法の一つ。「コア生息地」(山林など)、「防除地域」(農業など人間の活動が盛んな場所)、「排除地域」(人の居住地)のほか、コア生息地と防除・排除地域の間に設定する「緩衝地帯」に分類した。

 コア生息地はクマのすみかとして保全し、問題のある個体以外の捕獲は行わない。緩衝地帯では捕獲により個体数を抑制、防除地域では誘引物(クマの餌になる農作物、生ごみなど)の適切な管理や排除地域への侵入抑制、排除地域では緊急時の対応体制の整備などを示した。

 近年クマの目撃や捕獲が増えている信取、東台、狩猟者によるクマ目撃情報が多く大型のクマが生息している可能性のある富岡・大森の計3地区を、取り組みの重点エリアとした。

 1日にはヒグマが市街地に出没した際、市町村長の判断で発砲できるようにする改正鳥獣保護管理法が施行された。

 町農林課の担当者は「警察や猟友会と協力して対応方法を協議し、地域を挙げてクマ対策に取り組みたい」と話している。


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