ファームステイで酪農現場を体感 東京の高校生が広尾で研修
【広尾】東京都立瑞穂農芸高校(東京都瑞穂町)の畜産科学科の生徒が、7月下旬から8月上旬にかけて広尾町を訪れ、牧場見学などを通し「酪農の現場」について理解を深めた。生徒たちは「学校の実習と牧場の規模が圧倒的に違った」「酪農家の毎日に触れることができた」などと語り、実り多い研修になった様子だ。(松岡秀宜)
今年3月、同校で開かれた出張授業(JA全農・認定NPO法人キーパーソン21主催)で、広尾町野塚の酪農業椛木円佳さんが、酪農を始めたきっかけや牧場の現状について講演。この延長でJAひろお(鯖江雅浩組合長)が協力し、体験研修の場を提供した。
生徒14人は7月28日~8月3日と、8月2~8日の前後半2グループに分かれて来町。町内の牧場を視察したほか、椛木さんが経営する「マドリン」など3軒にファームステイし、搾乳ロボットの準備や牛舎の掃除、給餌、放牧を体験した。ホクレン十勝地区家畜市場(音更町)も訪れた。
8日は、同JAで後半組の解散式が行われた。3年の村田爽太朗さん(17)、上西遼弥さん(17)は「ソフトクリームがおいしかった」と笑顔。2人は酪農家を目指しているといい、「少人数で大規模な牛舎を管理する点はすごい」(村田さん)、「酪農家の生の声を聞けて貴重な経験になった」(上西さん)と話していた。
椛木さんは「生徒は(酪農の知識があるため)本当に助かった。ぜひ、また、広尾で学んでほしい」と強調。学校単位の研修を初めて受け入れたJAひろおは「今後も希望する学校があれば対応したい」(農業振興課)としている。