荒行「火渡り」で無病息災願う 剣山麓で第1回火まつり 清水
【清水】「第1回剣山火まつり」(実行委主催)が25日、清水町内の剣山の麓、剣山照明寺本堂そばの八葉の丘で開かれた。冷たい雨が降るあいにくの天気となったが、山伏姿の行者や参拝者らが荒行「火渡り」で無病息災などを願った。
同地域では1963年ごろから剣山神社で火渡りが行われていたが、コロナ禍を機に中断。清水町御影地区の高野山真言宗報恩山照明寺住職の矢形聡弘さんが実行委員長・発起人となり、伝統行事を復活させた。
会場の中央には高さ約1・5メートルの護摩壇が設置され、僧侶が法要を執り行った後に点火。ホラ貝や太鼓の音が鳴り響く中、参拝者らが願い事を記した護摩木を投げ込むと大きな炎を上げ、周囲が白煙に包まれた。
その後、焼け残る護摩壇を崩し、歩きやすいようならした灰の上を矢形さんら管内4人の住職が進んだ。参拝者約50人も列をつくり、手を合わせながら、灰の上を次々と歩いた。参加した芽室町の高橋けさみさん(77)は「家族の健康を祈りながら歩いた」と話していた。(小野寺俊之介)