アショロア化石 町文化財に ベヘモトプスも26年ぶり 足寄町教委
道指定 申請も視野に
【足寄】町教委は、町茂螺湾で見つかった束柱(そくちゅう)類の「アショロア」と「ベヘモトプス」の化石を町文化財に指定した。ともに海生哺乳類「デスモスチルス」類の原始的な仲間に当たり、同類の進化を解明する重要な資料と位置付けている。
町文化財専門委員会の答申を受け、第1号の石灰華ドーム「シオワッカ」(1992年)以来、26年ぶりの指定(10月10日付)となる。4日に町議会で公表された。
アショロア化石(頭蓋など63点)は1976年、ベヘモトプス化石(同86点)は80年に、海底に堆積した泥や砂の茂螺湾層から見つかった。ともに頭部を含めた全身の多くの化石が出ている。
文化財の名称は「足寄動物群束柱類化石アショロア骨格」と「同ベヘモトプス骨格」。ともに種別は天然記念物で、町が所有、足寄動物化石博物館が所蔵している。
アショロアは2800万年前に生息し、体長1.8メートル、高さ65センチ、体重350キロと推定。ベヘモトプスは2500万年前に栄え、体長3メートル、高さ105センチ、体重2トンとアショロアよりも大きい。復元骨格などは同博物館に展示されている。
町教委は「博物館との連携を密に、貴重な文化財のPRを行っていきたい」とし、同化石の道指定文化財への申請も視野に入れている。(木村仁根)