視察ツアー「たいき宇宙デー」を開催 参加者は新ロケット発射場やIST工場などを見学
【大樹】大樹町が進める商業宇宙港「北海道スペースポート」(HOSPO、宇宙港)構想などに理解を深めてもらうため、関連施設などを巡るツアー「たいき宇宙デー」が22日に開かれた。参加者は建設が進む新発射場「LC-1」などを見学。宇宙開発企業インターステラテクノロジズ(IST)の人工衛星搭載用ロケット「ZERO(ゼロ)」初号機の開発状況などにも耳を傾けた。
大樹町が主催し、今年で3回目の開催。町民や更別村民ら計44人が参加し、HOSPOの浜大樹地区では、射点付近の「煙道」(ロケット打ち上げ時の燃焼ガスが通るトンネル)の工事を終えた「LC-1」の建設現場や、射点の「LP12」を見学した。
「LC-1」の建設現場では、黒川豊町長がロケットの組み立てと打ち上げ前の検査・整備ができる「組立棟(VAB)」の建設に取り掛かっている状況などを解説した。「貴重な植物の移植を行いながら、開発を進めている。組立棟の建設も進行中。来年9月ごろには完了予定」と話した。
「LP12」では、HOSPOを運営するスペースコタンの広報担当・伊藤亮太さんが、7月に台湾系ロケット開発企業「jtSPACE」(石狩市)が、この射点から、サブオービタルロケット「VP01」を打ち上げた意義などを説明した。
また、美成地区・町多目的航空公園内では、滑走路を見学したほか、「スーパーカーによるフル加速」を通じて、昨年1300メートルへの延伸工事を終えたインフラも体感。芽武地区のIST本社見学では、同社事業開発部の金井竜一朗さんが、ZERO初号機の開発状況などを示した。
大樹高校1年の澁谷優希さんは「宇宙に関わる技術の発展や、さまざまな企業が宇宙開発に関わっているのを知った」とし、「(こうした知識を校内の)大樹航空宇宙ボランティアサークルで、生かすことができれば」と話した。
ツアー終了後、黒川町長は「来年は『LC-1』が完成予定。その姿を町民に見てもらえるようなイベントを開きたい」と話した。(松岡秀宜)
「たいき宇宙デー」を開催 発射場やIST工場などを見学
















