盛林商産 齋藤龍太郎社長~2024トップインタビュー
おが粉で農業を支える
緩衝材や敷料に各分野で需要増
おが粉製造というと木材加工業のイメージがありますが、当社の出荷先はすべて農業関連なので、食糧基地を支える食品関連産業という意識で事業に取り組んでいます。
シラカバ、カラマツ、トドマツ、ナラの間伐材から製造するおが粉の用途は特殊梱包材と言われる農作物出荷時の緩衝材、酪農畜産現場での敷料、そしてキノコ栽培の菌床用の3種類です。いずれも需要・生産量ともに伸びており、年間の生産量は合計で6万立方メートルほどになります。
このうち4割は特殊梱包材で、主にナガイモを出荷する際に段ボール箱に入れる保護材として使われています。ナガイモの生産・出荷が好調なので、今年は夜間の工場稼働も含めた生産計画を立てています。
敷料の出荷先は十勝管内外で増えています。農家の財産である動物の健康に関わるものなので、製造にも力を入れています。残りの2割が菌床向けです。生産現場が原木栽培から菌床栽培にシフトしてきているので、道内だけでなく千葉県など道外にも出荷するようになりました。
原料確保を重視 国際認証も取得
いずれも食に関わるため、当社では安全安心な原料を使用した製品づくりを意識し、2018年に適切な森林経営や保護を目的とした国際森林認証制度の「PEFC―COC認証」を取得しました。
当社の生産量増の背景には全国的な林業関係の高齢化と人手不足による原材料不足があり、地域によっては原料供給、育林が追いついていない現状があります。幸い十勝は造林業者も多く、山の規模も大きいため、当社は供給不足には陥っていませんが、原料確保のためにも林業関係との連携強化を図っています。
昨年40周年を迎え、今年は新たな一歩を踏み出します。従業員(15人)の拡充・育成を図るとともに、食をサポートする企業として認知度を上げながら、安定操業を第一に、できることを全力で取り組んでいきます。