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日本甜菜製糖 石栗秀社長~2024トップインタビュー

「てん菜産業」へ活路開く
生産者に寄り添い持続可能な農業
 昨年はビート運搬車による交通事故を立て続けに起こし、地域の皆さまに多大なご迷惑とご心配をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げます。運送業者とともに今一度原点に立ち戻り、無事故実現のための取り組みを再度見直してまいります。

 記録的な猛暑に見舞われた昨年は、当社や生産者にとっても非常に厳しい一年でした。褐斑(かっぱん)病の多発により糖度への影響が避けられず、1986年の糖分取引開始以来の低糖分原料となりました。

 本年はさらに強い褐斑病抵抗性品種を生産者へ提案致します。現在の品種も褐斑病には強いのですが、開発当時の想定を上回る栽培環境の厳しさにより、防除が追いつかない状況となったのが昨年でした。新たな品種は、これまで以上に満足の得られる栽培ができると信じています。また、昨年提案した除草剤耐性品種を本年も継続して取り入れていただくことで、除草剤の散布作業や除草自体の回数を減らすことができます。十勝の生産者の皆さまに寄り添いながら、持続可能な農業の実現に向けて、喜ばれる環境づくりに引き続きまい進します。

可能性高い作物 商用化を目指す
 実は、ビートはさまざまな可能性を秘めています。砂糖やパルプ以外にも、てん菜糖蜜を利用したSAF(持続可能な航空燃料)やCNF(セルロースナノファイバー)の開発に現在取り組んでおり、近い将来商用化を目指しています。「てん菜糖業からてん菜産業への飛躍」をテーマにビートの可能性を引き出すことは、研究部門を持つ我々だからこそできることです。

 昨年はインバウンドによる需要の増大で砂糖の消費量が若干回復しましたが、徐々に減る傾向は避けられません。当社が活用の道を開いていきますので、生産者の皆さん、どうか安心しててん菜を作ってください。従来の糖業の枠から大きく飛躍することで、十勝の輪作体系維持に貢献していくことが当社の使命です。

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