十勝地区農協組合長会 有塚利宣会長~2024トップインタビュー
食料基地十勝の役割大
日本国民を守る基本法改正に
私たち日本国民にとって、食料の安全保障が一層重要な課題となっています。戦後農政の大きな改革である「食料・農業・農村基本法」の改正という節目を迎えており、世界の農業から日本の農業を守るこれまでの「基本法」から、自国民の命を守る「基本法」へ、見直しが検討されています。
これまで大きな変革が3度ありました。まず農地法の改正、自作農の創設、そして食管法改正です。今では考えられませんが、食べ物を国家が管理していました。二つ目に、だんだんと自給で食料を確保できるようになり、農業を根本的に制度化するため、1961年、日本農業の指針として「農業基本法」が制定されたことです。その柱は国民の食料を確保することと、そのために農業と他産業の所得格差の解消を図ることでした。その後、世界の農業がグローバル化に進みます。自由化への国際的な動きを見据え、99年に「食料・農業・農村基本法」が制定されたことが3度目の変革です。
物流の課題解決 十勝で議論進む
気候変動や国際紛争など不測の事態が起こっています。どんなことがあっても自国で自国の食料を供給し、国民の命を守らなければなりません。
脱炭素も待ったなしの状況です。温暖化のスピードに対応するには、農業を含め本格的なカーボンニュートラルを実現する社会を目指さなければなりません。
また在来線の廃止、トラック輸送の働き方改革など、物流面の課題もあります。十勝への影響も計り知れません。解決策を導くため、物流基地や港湾の活用などさまざまな観点から議論が進められています。
2023年の十勝のJA取扱高は3573億円となりました。この北海道・十勝が食料基地の役割を担う重要性はさらに高くなっていきます。今、国内の農畜産物の12%を十勝が産出しています。これからも十勝一丸となり、全身全霊で期待に応えていく一年にしていきます。