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春の陽気に誘われ公園へ パン店に臨時ドライブスルー 緊急事態宣言拡大初の週末

一部商品についてドライブスルーでの販売を始めた満寿屋商店の麦音店。接触を極力減らして感染防止を図る(18日午後0時半ごろ)

 政府が新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の対象地域を北海道を含む全国に拡大して初めての週末を迎えた18日。道が週末の不要不急の外出自粛を要請する中、市内中心部の商店街は閑散とした一方、公園には春の陽気に誘われ、体を動かす市民の姿が目立った。(深津慶太)

 この日は晴天に恵まれ、穏やかな朝を迎えた。帯広市の緑ケ丘公園には、ウオーキングやランニングをする市民が目立った。普段は公園を利用しないという市民も。400メートルベンチに腰を掛けた会社員男性(44)は、ジムで汗を流すのが朝の日課だが、ジムは急きょ休業に。「家から近いし、外なら大丈夫かなと思い家族と散歩することにした」

 昼が近づくと、大型遊具では多くの家族連れが集まってきた。帯広のこの日の最高気温は、15・5度と2週間ぶりの暖かさ。子どもと来た会社員の石田哲也さん(46)は「雪が解けてからは初めての公園。(2月下旬の)外出自粛要請が出て、先が見えず疲弊してしまう」とつぶやいた。

帯広市内の緑ケ丘公園には親子連れが訪れ、「3密」を避けながら遊具で遊ぶ姿も(金野和彦撮影)

 厚労省によると、緊急事態宣言では、屋外での運動や散歩など健康維持のための外出は自粛の対象にはなっていない。

 市中心部では体育館や図書館など公共施設の休館が始まり、カラオケ店や映画館でも臨時休業を知らせる紙が貼られている。一方、平原通や広小路など商店街の衣料品店や飲食店はシャッターを下ろす店舗は少なかったものの、人出はまばらだった。

 JR帯広駅近くのある靴店では、例年なら春物が売れている時期だ。男性店主は「2月下旬から客がゼロの日もあったが、(16日の緊急事態宣言拡大で)さらに減った」と感じている。苦しい状況が続くが、「休業要請や補償がはっきりしない状況では休む判断は難しい」と困惑していた。

 首都圏で混乱が生じた買いだめは、十勝では限定的のようだ。音更町内のスーパーの責任者は「他店でセールが組まれている日だが、さほど減っていない。いつも通りの週末」と話す。パスタなど一部で注文通りの数量が入ってこない商品もあるが、生鮮食品の仕入れは滞っていないという。

 屋外に比べるとマスクを着用した客も多く、手作りのマスクは以前に比べて着実に増えた。感染予防のため来店回数を減らしたという人も。帯広市の主婦大平聡子さん(38)は2月まではほぼ毎日来ていたが、現在は1週間に1日程度。子どもが2人いて、以前は家族一緒の買い物も楽しみだったが、「今は夫に家で子どもを見てもらい、1人で来るようにしている。新鮮な野菜と子どものためのジュースやお菓子が中心」。

 「札幌で急速に感染者が増えている。帯広で出るのも時間の問題では」と危機感を持つのは、パン製造販売「満寿屋商店」の杉山雅則社長。市内の麦音店(稲田町)の駐車場の一角で、一部のパンやコーヒー豆を買えるドライブスルー販売を試験的に始めた。午前10時から4時間、緊急事態宣言終了まで続ける予定だ。

 同社は店内にあった約50席を撤去し、1グループ1人の来店を推奨している。杉山社長は「接触を減らすことで、店内の買い物に抵抗感がある人のニーズに対応したい」と話していた。

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