色とりどりの高山植物 登山客癒やす トムラウシ山
【新得】手つかずの自然が残る大雪山系トムラウシ山(2141メートル)に群生している高山植物。見頃はやや過ぎたものの、色とりどりに咲き誇る花々が道行く登山客の目を楽しませている。
トムラウシ山は、大雪山国立公園の中央にそびえる日本百名山の1座。往復に10時間以上かかる健脚向けの山として知られるが、その山深さから、さまざまな動植物が観察できる場所としても人気がある。
国立公園の中で自然保護の規制が最も厳しい「特別保護地区」にも指定されているトムラウシ公園(1750メートル付近)では、エゾノハクサンイチゲやエゾコザクラ、ミヤマキンポウゲが、じゅうたんのように一面に広がっている。
東京から訪れ、道内百名山の制覇が目前という道原建一郎さん(76)は「想像以上に長い道のりだが、かわいらしい姿に心が癒やされる。頂上まで歩く元気をもらえた」と額の汗をぬぐった。
町観光協会によると、トムラウシ山の高山植物は8月上旬ごろまで楽しめる。同協会は「そこでしか見られない貴重な生態系が広がっている。気軽には行けないが、雄大な自然を肌で感じてもらえれば」としている。(安倍諒)