中川郁子衆院議員の不適切交際報道、道議選にも影響か
中川郁子衆院議員(農林水産政務官)が同僚議員と不適切な交際をしたとする週刊誌の報道を受け、統一地方選を控えた保守系候補の間に、選挙戦への影響を懸念する声が強まっている。激戦が予想される道議選帯広市区や、選挙戦が確実になった同十勝区では、党公認候補の陣営を中心に選挙戦への余波や投票率低下を心配している。
中川氏は自民党道11区支部(十勝)の支部長として選挙を仕切る立場で、統一地方選では演説会の弁士や支援者回りなど党公認、推薦候補への支援が期待されていた。ただ今回の問題で求心力の低下は避けられず、各陣営も困惑している。
道議選帯広市区に立候補を予定する党公認の清水拓也氏(40)の陣営幹部は「影響がないと言えばうそになる。自民党全体のイメージが落ちることが心配」と言葉少な。同じく党公認の伊賀淳貴氏(53)の陣営幹部は「報道だけでは詳細は分からず、我々はやるべきことを淡々とこなすだけ。中川氏の応援は期待していたが、どうなるか」と不安がる。
中川氏の公設秘書経験がある上野庸介氏(41)=無所属=の後援会幹部は「影響があるかどうかは分からない。これまで通り丁寧に政策を訴えたい」とし、中川氏の夫、故昭一氏とも親交があった編田照茂氏(60)=無所属=の陣営幹部は「支援を受けているわけではないので影響ないと思う。政治への無関心につながり、投票率が下がる可能性があることは心配」と語る。
十勝区でも党公認の現職喜多龍一氏(63)の後援会幹部は「話題が話題だけに党自体に与えるイメージなど影響がないとは言えないが、自分たちの選挙を頑張るしかない」。同じく党公認の大谷亨氏(67)の陣営関係者は「(衆院議員と道議では)土俵が違う。現職の5選と高橋(はるみ)知事を勝たせるのが至上命題」と切り替えに努める。
保守系以外の陣営の多くは中川氏や自民党内の問題とし、「自分たちの選挙に直接影響はない。粛々とやるだけ」と冷静に受け止める。その一方で、ある陣営は「中川氏は動けなくなり、頼りにしていた陣営は影響が出るだろう」とする。
保守系の候補予定者の中には、中川氏のポスターや「ため書き」を事務所から外した陣営もある。自民党関係者は「私生活の話とはいえ公の人が起こしたことで重たい。本人や後援会などが、どれだけ影響を最小限にとどめて決着できるかだろう」と話した。(統一地方選取材班)
体調悪化で緊急入院 帯広広尾道IC開通式出席取り止める
【東京】中川郁子衆院議員は5日午後、体調不良のため東京都内の病院に緊急入院した。中川氏は自民党の門博文衆院議員との不適切な行為が週刊誌で報じられていた。
関係者によると、中川氏は帯広市内で週刊誌の取材を受けた2月28日以降、極度の不眠と食欲不振が続いていたという。5日は都内の自宅で静養していたが、体調が悪化し医師の診察を受けたところ、2週間の入院加療が必要と診断された。関係者によると、中川氏は憔悴(しょうすい)し、やつれているものの、再び職務に励む意志は持ち続けているという。
中川氏は来週中の十勝入りも見込まれていたが、当面の日程は白紙に。15日に開かれる高規格道路帯広広尾自動車道更別インターチェンジ(IC)-忠類大樹IC間の開通式への出席も取り止める。