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航空宇宙経済効果額1億5000万円 大樹、昨年度

大樹で世界記録を更新したJAXAの「超薄膜高校度気球」(昨年9月、JAXA提供)

 【大樹】町は2013年度の航空宇宙に関する経済効果などをまとめた。町多目的航空公園の施設利用日数は302日(前年比51日減)、人数は374人(同198人減)。日数・人数ともに減少したことで推定経済効果額も前年比2000万円(11・8%)減の1億5000万円にとどまった。宿泊、食事、除雪など大樹に直接関わるものも同比で1000万円(9・1%)下回る1億円となった。

 町がまとめた「航空宇宙に関する活動等報告書」によると、13年度は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大気球実験、JAXAや大学、企業の無人航空機・ヘリコプター実験など前年比2件増の29実験が行われた。実験数が増えたにもかかわらず経済効果が圧縮されたことについて、町企画課は「従来よりも一つ一つの実験における滞在期間が短かったため」とみている。昨年6月の大気球放球時にトラブルが発生したことで、以降の大気球実験の一部が中止になったことも影響したとみられる。

 ただ、各種実験では多くの新記録が生まれた。大気球実験では昨年9月、世界で最も薄い気球用ポリエチレンフィルムで製作した「超薄膜高高度気球(厚さ2・8マイクロメートル=1000分の2・8ミリ)」で到達高度53・7キロを達成。JAXAが持つ無人気球の世界記録(53・0キロ)を更新した。予定(大小8基)より少ない小型4基で実験を終えたが、大きな成果を得た。

 ロケットでは昨年8月に元ライブドア社長の堀江貴文氏が創業者のSNS(東京)の小型液体燃料ロケットが過去最高高度(6・5キロ)に到達。同社開発ロケットとして初めてマッハ1・12の“音速超え”を記録した。同11月には同社が国内で初めて商業目的ロケットを打ち上げた。

 町は「今年度も多彩な実験が行われる。引き続き宇宙のまちづくりを推進したい」としている。(関根弘貴)

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