無人気球世界最高高度達成か 大樹でJAXA
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日早朝、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で「超薄膜高高度気球」の打ち上げ実験を行った。世界で最も薄い気球用フィルムで製作した気球の飛翔性能と運用技術を確認。高度は従来の無人気球の世界最高高度(53キロ)を越えたとみられる。
今年度の第2次実験(7月30日~9月22日)の1基目。同期間内には大小2基を放球予定だったが、第1次実験(5月7日~6月23日)期間中の6月に気球と実験機器を切り離す器具(ロープカッター)の誤作動で大気球が落下した不具合の原因究明と対策調整のめどが立たず、放球を見送っていた。
超薄膜高高度気球はより高く飛ばすことを目指している。従来の世界最高高度は2002年に岩手県三陸町(現大船渡市)で3・4マイクロメートル(100分の3・4ミリ)フィルムで到達。大樹では2011年に、今回と同じ2・8マイクロメートル(同2・8ミリ)で挑戦したが、フィルムが破れて14・7キロにとどまった。今回は2年ぶりの実験で、最高高度の更新を目指した。
午前5時25分ごろに放球された気球は順調に高度を上げ、数時間後に大樹沖に着水。詳しい高度などのデータは正午現在、JAXAが確認している。
(関根弘貴)