カムイロケット回収できず HASTIC
【大樹】NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)は10日、大樹町多目的航空公園内で行ったCAMUI(カムイ)型ハイブリッドロケット打ち上げ実験で、太平洋上に着水したロケットを回収できなかった。パラシュートなどが作動しなかったため、沈んでしまったとみられる。
同日午前11時50分ごろ、ごう音とともに大空へ打ち上がったカムイは数分後、鈍い音とともに着水。大樹漁協と捜索したが、機体の回収には至らなかった。
パラシュートが開かなかった原因について、HASTICの実施責任者・永田晴紀北大教授らは「(これまで以上の)到達高度を狙うあまり、小さい機体に(さまざまな)機能を詰め込み過ぎた」と説明。今後、カムイと同じ形状で、正常にパラシュートが作動したSNSのロケットの事例を基に、より確実な減速装置の開発につなげる。
カムイは昨年7月の実験で、打ち上げ直後にパラシュートの一部が開いたため、今回、修正した減速技術を確認する予定だった。(関根弘貴)