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1人で建てた英国風住居 まちマイ足寄編

業者に頼らず英国風の住居(奥)を造る上谷さん

上谷祐弘さん(63)
足寄湖のほとりで、始めて17年、まだ途上

 10年以上も自分で家を造り続けている人がいる。興味深い話を聞きつけ、家造りの現場を訪れた。

 「最初は4、5年でできると思ったけど、17年もたってしまった」と話すのは、町中矢の塗装業上谷祐弘さん(63)。家に使う木の調達から、設計、建築など全て業者に頼らず、自分で行っている。気の遠くなるような話だが、外観は著名人が住んでいそうな豪邸のたたずまい。延べ床面積は約600平方メートルと広く、木をむき出しにした「ハーフティンバー」と呼ばれる建築工法が、異国感を漂わせている。

木のぬくもりを全面に打ち出した室内

 「あまりにもここからの眺めがきれいだった」と、足寄湖の美しさにほれ込んだことから壮大なプロジェクトはスタートする。イメージしたのはイギリスの湖水地方。上谷さん自身はイギリスに行ったことはないが、観光雑誌の写真や記事などを切り抜き、わずかな情報と自分の感性を頼りに造っている。欧州では湖のそばに農地がある風景が美しいとされ、さらにそこに家を建てるのは成功者の証しという。

 土地を購入した2000年から家造りが始まった。耐久性のある町産ナラ材を、大型トラック25台分に相当する300立方メートル購入。「家に使える木は50本に1本しかない」と使える木を見極め、製材も自分で行った。ナラは耐久性に優れる半面、ねじれも生じやすく苦労は絶えない。それでも「500年は維持できる家を」と信念を持って家造りに励んできた。

 現在、進捗(しんちょく)は9割程度。手洗い場や照明、壁を貼る作業など内装の仕上げに入っている。1~2年ほどで完成させる予定だ。憧れの地での生活を夢見て、上谷さんはきょうも家造りに精を出す。(川野遼介、写真・塩原真)


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