JAXAが災害時のヘリ活動に向け、初試験
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、夜間や悪天候時でもヘリコプターで安全に災害活動を実施することを目的に、赤外線カメラなどの試験を大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で行っている。大樹での同試験は初めて。実験用ヘリコプター「MuPAL-ε(ミューパル・イプシロン)」(全長12・2メートル)を使用し、11月4日まで10回ほどの試験飛行を予定している。
試験するのは、肉眼では見えない赤外線を検出し、地上の様子をコックピットに画面表示する「赤外線カメラ」と、ヘルメットのバイザー部分に周囲の地形情報などが表示され、パイロットが装着することで目の前に必要な情報が映し出される「HMD」。ともに2008年に開発され、これまで和歌山県などで試験を重ねてきた。
今回はJAXA飛行技術研究センターの飛行シミュレーションセクション(舩引浩平リーダー)などから約10人が来町。試験では、同実験場から半径約20キロの範囲内で1時間ほど飛行。赤外線カメラやHMDを実際にヘリコプターで使用し、映像などをチェックする。27日に1回目の飛行が行われ、各機器の動作を確認した。
舩引リーダーは「夜間でも災害救援や捜索救助をできるよう試験を進めたい」と話している。(佐藤圭史)