東大研究班が大樹で小型航ジェット機実験
【大樹】東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻は10日まで、小型航空機(ビジネスジェット)の安全性向上を目的とした飛行実験を町多目的航空公園で行った。大樹での実験は2年目を迎え、今回は自作のコンピューターを搭載した実験機を使用した。
経済産業省の委託事業「航空機用先進システム基盤技術開発(先進パイロット支援システム)」の一環。同専攻は同委託事業として2008年度から今年度まで、機体の故障や破損を想定した飛行実験に取り組んでいる。
小型航空機はパイロットの技能の差や突風などの気象条件により、旅客機に比べて事故確率が高いとされ、安全飛行のためのシステム開発が求められている。
実験には同専攻の研究生ら12人が来町。8日からの3日間にわたり、ビジネスジェットの小型モデル(全長、全幅各1・2メートル、重量2・5キロ)の飛行性能を確認。搭載する自作のコンピューターは、昨年と比べて格段に性能が向上、学習機能も備えているという。
初日と2日目は濃霧などで気象条件が整わず、操縦士が練習機で操縦訓練するだけにとどまった。最終日は日没までに、小型モデルを飛ばし、自作のコンピューターの性能などを確認する考え。同専攻の土屋武司准教授は「(委託事業として)3年目を迎え、あともう少しのところまで順調に進んでいる。今年はもう1回、大樹で実験できれば」と話していた。(佐藤圭史)