災害時の被害を空から把握 大樹で気球実験
【大樹】係留気球や飛行船の製造・運用を手掛ける「スカイプラットフォーム」(茨城県、秋永和寿社長)は20、21の両日、町多目的航空公園で動力付き係留気球の操縦実験を行った。同気球では初めての屋外実験。気球に搭載した2種類のプロペラが地上からの操縦通りに正確に作動するかなどを確認した。
同社は2010年4月に設立されたベンチャー企業で、従業員は6人。大手電機メーカーや宇宙航空研究開発機構(JAXA)などで経験を積んだ研究者が名を連ねている。
同気球は災害発生時の被害状況把握などに活用するために研究・開発を進めている。2種類のプロペラを動かすことで風に左右されずに行きたい方向に進むことができ、完成すれば気球に搭載したカメラで被災地の状況把握などがスムーズにできるようになるという。
今回は秋永社長(67)、技術担当の蛭田忠孝さん(64)、運用担当の佐野政明さん(70)の3人で来町。高度50メートル程度で、ポリエステルなどで作られた気球(全長10メートル、全幅3.2メートル、高さ3.4メートル)の下部に設置した前進用のプロペラ(ダクテッドファン)と上下左右の方向制御用のプロペラ「サイクロイダルプロペラ」が、地上でのマニュアル制御通りに作動するかチェックした。
秋永社長は「想定通りに動いてくれた。今後はもっとスムーズに動くよう改善し、自動制御につなげたい」と実験を振り返った。
(関根弘貴)