受験シーズン本格化、合格祈願グッズ商戦たけなわ
大学、高校の受験シーズンが本格化する中、十勝では今年も縁起担ぎの「合格祈願グッズ」商戦が熱を帯びている。「カツ(勝つ)サンド」「吉十勝(きっとかつ)」など名前に趣向を凝らしたものも多く、ラストスパートを迎えた受験生を後押ししている。
満寿屋商店(帯広、杉山雅則社長)は受験生応援キャンペーンとして「トントン拍子で勝つサンド」(2個入り、税込み338円)と「だるまあんパン」(同157円)を全店で販売中。「勝つサンド」は昨年まで3個セットで販売していた「サンド勝(三度勝つ)」を昨年の新入社員が全員でリニューアル。カツのボリュームを30%アップし、親しみやすいネーミングに変更した。
商品POPとラベルも手作りで、イラストなどを担当した奥島絵里香さん(21)は「縁起の良いものを詰め込んだ。受験生においしく食べてもらえれば」と話す。
帯広競馬場内の「とかちむら」では、“滑り止め”などとして蹄鉄(ていてつ)をご神体にした「十勝輓馬(ひきうま)神社」が関心を集める。独自のおみくじ(馬みくじ)や絵馬は同競馬場でしか取り扱っておらず、3種類ある絵馬は一つ一つが手作り(1体800~1400円)。蹄鉄形や、ばん馬が描かれているものなどが人気だ。
十勝最古の十勝神社があることにちなみ、広尾町観光協会(立川強会長)が6年前に考案したのが「吉十勝」。「吉十勝で勝利を手にしてほしい」と、町北方圏交流振興会がロゴを載せたキーホルダーや、お守りをプリントしたクリアファイルなどを作り、大丸山森林公園の「サンタの家」で販売中。毎年1月中旬ごろから2月にかけて受験生の購入が増えるという。
この他、鹿追町の然別湖ミネルバ美術館(しかりべつ湖ホテル福原内)には知る人ぞ知るミネルバのフクロウ像がある。ミネルバは古代ローマ神話の学問の女神をつかさどり、フクロウはその使いとされる。像は1980年に彫刻家の金井征之さんから寄贈されたもので、横にある紙に志望校と名前を書き、フクロウの頭を3回なでて備え付けのポストに入れると、ご利益があるという。
「修学旅行生や、子どもやお孫さんのいる宿泊客に人気」と遠藤宏樹営業支配人。合格後にホテルに連絡すると、フクロウの記念品グッズをもらえる。
(松田亜弓、伊藤亮太)