JAXA、今年度最初の大気球放球
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3日早朝、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で今年度最初の大気球を放球した。宇宙線反粒子の起源に迫るため、半導体検出器の基本性能などを確認する。
昨年度、準備の都合で延期になった理学観測実験。3年後の実施を検討している南極気球実験に向け、検出技術を実証する。コロンビア大などアメリカの研究者も参加している。外国人が実験グループの一員に入るのは大樹では初めて。
南極実験は、地球に降り注いでいる宇宙線に混じるとされる反粒子(水素などの粒子と同質量で電荷が逆)が、どこでできて、どのように地球に到達したのかを探る。大樹では、宇宙線反粒子のバックグラウンド値(宇宙線反粒子が無い状態での数値)が正常に検出されるかなどを確認した。
この日は午前4時55分、直径63メートル、満膨張体積10万立方メートルの大気球1機を放球。525キロの機器を搭載し、3時間掛けて高度33キロ程度まで上昇した。午前11時半~正午ごろには大樹沖に着水する見通し。(関根弘貴)