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JAXAが大樹で大気球の放球実験

採集装置をつり下げてゆっくりと上昇する気球(22日午前5時15分ごろ)

 【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日午前、大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で大気球の放球実験を行った。今年度第2次実験の1基目。地球温暖化に伴う成層圏の大気の変化をテーマに大気を採集し、研究する。

 実験グループは東北大などで構成。今回は7人が来町。実験では「クライオジェニックサンプラー」と呼ばれる採集装置を使用して高度15キロから35キロまでの大気を採集。各大学や各研究所が最先端の分析装置でさまざまな大気成分の濃度や同位体を測定する。これまで全国各地で約20年にわたり継続して行ってきた。

 この日は午前5時12分に最大膨張時で体積10万立方メートル、直径63・4メートル、重量296キロの気球を放球。上空ではマイナス269度の液体ヘリウムを用いて希薄な大気を固化して大量に採集し、同10時38分ごろ、大樹沖の太平洋上に着水した。同日中に採集の確認が行われる。

 採集した気体は今後解析を進め、新たな発見を目指す。昨年1月に打ち上げられた温室効果ガス観測衛星「いぶき」プロジェクトにも役立たせていくという。(佐藤圭史)

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