最新技術活用し力強い十勝農業を
2020年は新型コロナウイルスのまん延により、十勝農業においても先の見えない不安な日々が続く1年となりました。渡航制限により外国人技能実習生は入国困難となり、人手不足が加速。観光業、飲食業の低迷は農畜産物の需要減退につながり、十勝農業にも影を落としました。また、大きな気象災害はなかったものの、干ばつや長雨、連日の真夏日など極端な天候が作物の生育を鈍らせ、農家を悩ませました。このような厳しい環境下にもかかわらず、昨年のJA取扱高は3,456億円を記録。19年の3,549億円に次ぐ2番目の水準で、前年に続き「農業王国・十勝」の力を見せつける結果となりました。昨年、十勝では地元農業団体と大手企業などが共同でドローン(小型無人飛行機)やICT(情報通信技術)を活用した実証実験を進めました。国の推進する「スマート農業」の実用化や最新技術の活用は、人手不足や後継者問題の解消のみならず、生産物のさらなる品質向上を実現し、十勝農業の競争力を一層高めるでしょう。
当フォーラムは1993年から道内の研究機関の成果と、十勝毎日新聞に掲載された農業関連記事をまとめた「農業新技術・十勝農業記事ハイライト」を編集し、各JAを通じて組合員の皆さまへ無料配布しています。
当フォーラムは十勝農業の発展に向けて1993年から道内の研究機関の研究成果と、十勝毎日新聞に掲載された農業関連記事をまとめた「農業新技術・十勝農業情報ハイライト」を編集し、各JAを通じ、組合員の皆さまへ無料配布しています。
29年目の刊行となる2021年版は、道総研十勝農業試験場、畜産試験場のご協力をいただき、21件の研究成果を収めました。また、新たに「農業新技術オリジナル特集」として畑作・酪農に関するICT の最前線を十勝毎日新聞社記者が独自取材して掲載、内容を一層充実させました。3年前から協力をいただいている帯広畜産大学の研究成果も、引き続き掲載しております。営農のお供にご活用いただければ幸いです。
最後になりましたが、製作にご協力をいただいた関係機関、冊子の配布を引き受けていただいた管内各JAの皆さまに心からお礼を申し上げ、刊行のあいさつとします。
十勝農業フォーラム
代表 林 光繁