十勝農業の地力を示す
2018年の十勝農業を振り返ると、天候不順や9月の胆振東部地震による大規模停電(ブラックアウト)に見舞われるなど厳しい環境に置かれました。被害を受けた農業者や復旧に追われた関係者の皆様には、哀心よりお見舞いを申し上げます。。しかしながらこのような環境下にもかかわらず、管内24JAの農畜産物取扱高が過去最高だった2017年に次ぐ史上2番目の3320億円を確保しました。耕種(畑作)が大きな落ち込みを免れただけではなく、畜産が史上最高だった昨年をさらに上回る2051億円と、初の2000億円台を記録したためです。結果的に前年を約2%下回る程度にとどまり、十勝農業の地力、ポテンシャルの高さを示す形となりました。
7月には4年に一度の国際農業機械展が帯広市内で開催され、過去最多134社が出展し20万1000人が来場しました。技術の進歩や人手不足を背景に、効率化を図るICT(情報通信技術)を活用した最新機器が並び注目を集めました。また国際的な通信規格「ISOBUS(イソバス)」の普及推進会も発足。十勝が起点となって、農機の仕様のグローバル化が図られています。
さて、当フォーラムは十勝農業の発展に向けて1993年から道内の研究機関の研究成果と、十勝毎日新聞に掲載された農業関連記事をまとめた「農業新技術・十勝農業情報ハイライト」を編集し、各農協を通じ、組合員の皆さんへ無料配布しています。27年目の刊行となる2019年版は、道立十勝農業試験場、道立畜産試験場のご協力をいただき、2月に開かれた十勝圏農業新技術セミナー、十勝畜産技術セミナーで発表された25件の研究成果を収めました。
また、昨年に引き続き帯広畜産大学の研究成果も掲載いたしました。学術研究を主体とする大学の研究成果も日々の営農に新たな示唆を与えると共に、十勝農業の可能性を切り開くものと考えております。
最後になりましたが、製作にご協力をいただいた道立農業試験場、帯広畜産大学などの関係機関、冊子の配布を引き受けていただいた管内各農協の皆様に心からお礼を申し上げ、刊行のあいさつとします。
十勝農業フォーラム
代表 林 光繁