美大生がアートの楽しさ子どもたちに 中札内
【中札内】中札内村の小中学校の児童・生徒と武蔵野美術大学(東京)の学生が1月27~31日の5日間、美術の特別授業で交流した。同大学の油絵学科や彫刻学科などの1~3年生8人が同村に滞在。村内の3校で創作活動や対話型授業を通じて、児童・生徒にアートの楽しさと多様性を伝えた。(斉藤さゆり通信員)
村教育委員会が取り組む「子どもアートプロジェクト」の一環。村の小中学生に芸術を身近に感じる機会を提供する目的で、美術大学や音楽大学と連携し2018年から実施している。
活動初日の27日、学生は上札内小学校(菅原晴彦校長、児童16人)を訪問。同小が創立70周年の思い出として作り替える運動会の看板制作を指導した。
学生たちの発案で看板の絵柄には、児童が取り組む石見神楽の「おろち」を採用。4分割した看板用シートに描いた下絵と、「上札内大運動会」「祝70周年」の文字に児童らがアクリル絵の具を塗り、運動会の大看板を仕上げた。
5年の林にこさん(11)は「きれいに色を塗れてうれしい」と笑顔だった。学生代表の濱松音羽さん(油絵学科1年)は「みんなの集中力の高さと積極的な姿勢に感心した」と話した。
28~30日は中札内小学校(牧伊津子校長、児童180人)で2、3、5年の授業を担当。学生が作ったバルーンに2、3年生が絵を描き、5年生が飾りつけをしてバルーンアートを完成させた。
中札内中学校(森英樹校長、生徒123人)では4日間、総合文化部(部員17人)の部活動に参加。「怖い鬼」をテーマに、軽量粘土を使ったお面制作のワークショップを行った。造形活動に取り組んだ生徒たちは、学生とのやり取りやアドバイスから大きな刺激を受けていた。
1年の林理愛菜さん(13)は「自分のイメージがちゃんと形になるように的確なアドバイスをしてくれるので、作っていて楽しい」と声を弾ませた。