糠平湖27日から立ち入り禁止 過去最速、水位低く「ガス穴」発生
【上士幌】少雪と暖冬傾向が続く中、上士幌町は、糠平湖全域の立ち入りを27日から禁止する。今季は例年と比べて水位が低いため、今後「ガス穴」発生が予想され、湖面への立ち入りは危険と判断した。NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター(河田充代表理事)によると、1月中に立ち入り禁止となるのは過去最速。ワカサギ釣りや湖上サイクリングなど、集客を見込んでいた地元関係者からは落胆の声が広がっている。
糠平湖は今冬、1月2日にワカサギ釣りが解禁となった。例年は3月上旬ごろまで氷結した湖面に立ち入ることができ、ワカサギ釣りなどのレジャー、キノコ氷やアイスバブルといった自然の美を楽しむことができる。昨年も厳しい冷え込みが続かなかったことなどから、2月1日で終了していた。
同センターなどによると、今冬は湖の水位がこれまででもっとも低い状態という。昨冬の少雪で湖に流れる雪解け水が少なかったほか、昨年の夏から秋にかけてまとまった雨が少なかったことも影響しており、水位が少ない状態で結氷を迎えた。
水位が低いと「ガス穴」が多く発生し、氷が不安定となる。今年は当初から水位が低いため、「ガス穴」の発生が早まると見込まれる。また、雪が少ないことで氷の解けるスピードも速いという。
ワカサギ釣りはわずか23日間での終了となる。上士幌町観光協会から氷上サイクリングの運営管理を受託する一般社団法人とかちアドベンチャーサイクルの鈴木宏代表理事は「自然の天候には逆らえない。冬にやる新しいアクティビティーをどんどん開発していかなければ」と肩を落とす。
凍った湖面に気泡が閉じ込められてできる「アイスバブル」などの見学のための立ち入りもできなくなる。同センターの河田代表理事は「ワカサギ釣りで、週末には多いときで400人ほどが訪れていた。2季連続で早期終了となり、地域経済へのダメージは大きい」と話している。
問い合わせは同センター(01564・4・2261)へ。(大健太郎)