異例の少雪、氷まつり会場準備を直撃 制作物の規模縮小も検討
今シーズンの異例の雪不足が、31日から帯広市緑ケ丘公園で開催される「第62回おびひろ氷まつり」(2月2日まで、帯広のまつり推進委員会主催)の会場準備を直撃している。造成中の大型滑り台は急きょ、公園の傾斜を利用する形に変更されたほか、一部の制作物で規模縮小が検討されている。
同実行委によると、会場で地面が見えるほどの少雪は7、8年ぶり。ステージイベントの変更はないが、20日までに「氷のお面」展示や「市民氷雪像コンクール」の実施可否を判断するという。
滑り台は傾斜活用に変更
特に影響を受けているのが、大量の雪を必要とする制作物の準備。陸自第5旅団による大型滑り台は、公園の傾斜を活用するよう方針転換に迫られ、設置方向を西向きから昨年と同じ南向きに変更した。
帯広厚生病院駐車場などからダンプ53台分の雪を搬入し、ようやく完成の兆しが見えてきたものの、補修用の余剰まではなく、気温も高い状態が続く。制作する同旅団第4普通科連隊の山木隆太郎1曹は「今ある物で何とか造り上げたい」と話す。
回転そりや迷路などを制作する帯広青年会議所は、会員約50人が市内の駐車場などを回り、15日時点で10トントラック20台分ほどの雪を集めた。規模縮小の予定はなく、「会員で力を合わせて最後までやりきる」という。
一方、16日にスライダーやスノーウォールの造成を始めた帯広商工会議所青年部は、音更町から譲り受けた雪だけでは足りていない状況。
一部制作物で材料を雪から氷に変更したものの、「今後が見通せない」と頭を悩ませる。今後の雪の量をみて、スライダーの距離を短くするなど調整する考えだ。
ただ、十勝では17日に降雪予報が出ており、帯広観光コンベンション協会の秋庭肇部長は「この状況でも何とか準備を進めている。まとまった雪になってくれれば」と期待している。(菊地正人、廣田佳那)
異例の少雪 管内各地の同時期と比べてみた
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