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川西・五十嵐農園の「ゆり根月光」が野菜ソムリエで最高金賞

野菜ソムリエサミットで最高金賞に選ばれた「幻のゆり根月光」と(右から)五十嵐さん、詔子さん、久保田組合長

 帯広市川西町の五十嵐農園が生産する低温熟成ユリ根(品種・月光)が、12月の野菜ソムリエサミット(日本野菜ソムリエ協会主催)の青果部門で最高金賞に選ばれた。農園を経営する五十嵐英憲さん(44)と妻の詔子さん(38)は「最高の栄誉に恥じぬよう今後も栽培技術を高めたい」と笑顔。地元関係者は「川西産のユリ根が全国に発信される」と喜んでいる。(能勢雄太郎)

 受賞したのは「幻のゆり根月光」。甘みの強い月光(糖度は24度)を2カ月間低温熟成させ、甘みと滑らかさを引き出した。「新鮮ゆえの甘さ」「やさしい香りが鼻に抜ける」などと評価された。

 五十嵐さんは22ヘクタールで4品を栽培する典型的な畑作農家。帯広市川西百合根生産組合(久保田雅実組合長)に5年前に加入、副収入として20アールでユリ根栽培を始めた。当初は病害に四苦八苦したが、周囲のアドバイスで技術を高めた。

 「幻のゆり根月光」は、詔子さんが立ち上げた「farm toreta」を通して道の駅おとふけに出荷。最高金賞は「farm toreta」の名義で受賞した。

 五十嵐さん夫妻は「小さな農家なりに誇りを持てる産品をと取り組んだ。周囲の支えで一定の品質に高めることができ、感謝したい」と話している。

 川西地区では2009年、主産地の幕別町忠類から「白銀」「月光」を導入してユリ根栽培を開始。現在は9戸が組合に加盟、年間約3トンを生産している。久保田組合長は「五十嵐さんの快挙を契機に川西産にスポットが当たり、栽培が広がれば」と期待している。

 11月の同サミットでは「とかち井上農場」(帯広市桜木町)の熟成メークインが最高金賞を受賞しており、2カ月連続で帯広の野菜が最高位に選ばれる快挙となった。

<野菜ソムリエサミット>
 野菜・果物と農産加工品の品評会。野菜のプロが毎月審査し、10点満点のうち平均点7点以上で銀賞、同8点以上で金賞、同9点以上で最高金賞となる。

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