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中札内に陸上スクール立ち上げへ 「自主練」の保護者らがNPO設立準備

クールダウンで仲間とジョギングする「自主練」参加の子どもたち

 【中札内】中札内村で陸上競技の「自主練」を行ってきた小中学生と保護者、指導者が、陸上スクールの開設に向けて準備を進めている。スクール化によって、安定した練習環境の確保や、部活動の地域移行を見据えた中学生の受け皿となることを目指している。来年度からスクールとして活動できるよう、現在は、保護者らが中心となって運営母体となるNPO法人の立ち上げを進めている。(吉原慧)

練習環境がない
 中札内村には、学校の陸上部や陸上少年団など、正式に陸上に取り組む環境がない。これまでは、主に十勝陸上クラブに参加して帯広市内で行われる練習に通っていた。

 十勝陸上クラブに通う中学生が、クラブの練習のない日に村内の屋内多目的運動施設で練習。これを村教委部活動地域移行コーディネーターの高橋慎さんが知り、昨年末に2人での「自主練」がスタートした。高橋さんは大学陸上部で箱根駅伝出場経験を持っており、コーチ役を買って出た。

 練習の存在が口コミで広まると、地域の保護者や子どもから要望が出て、今年3月までに「陸上(かけっこ)教室」を複数回開催。多くの子どもたちが参加したことから、保護者の見守りの下でコーチから陸上を習う「自主練」に拡大した。

 今年4月から週1回午後5時半~同7時に札内川河川敷で行い、現在では20人の子どもが参加。短距離走やジャベリックボール投げなどに取り組み、複数人が陸上の全道大会に出場を果たすまでに。活動を続ける中で、保護者が「コーチの善意に頼り切りにならず、陸上を安定して習い続けられる環境を」とスクール化を発案。7月に説明会を開催し、スクール化へ始動した。

自主練から“進化”
 スクールでは、会費を集め、講師の謝礼や、他のスクールから講師を招く契約費用などに充てる。月5000円ほどを想定。部活の代替や居場所づくりの役割を果たすため、練習の機会も増やす計画だ。中学生は週3回、小学3~6年生は週2回、年長~小学2年生は週1回を目指し、講師の確保などを調整している。練習場所は村内の中学校や小学校のグラウンドの使用を村に求める考え。

 「自主練」に通う中札内小6年の井原蒼斗さん(12)は「(陸上は)成長を感じられて楽しい。中学校でも続けるか考えたい」、同6年の樫原ほのさんは「バレーボールもプレーしていて、中学校でどちらを続けるか迷う」と話す。高橋さんは「スクール化によってスポーツの選択肢を増やしてあげたい」と話している。

 NPO、スクール開設への問い合わせは自主練グループ(nakasatsu.ac2024@gmail.com)へ。

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