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岩塊落下に耐える全国初「ロックプロテクター」開発 トンネル工事の事故防止 宮坂建設

完成したロックプロテクターを披露する岡本さん(右から2人目)と関係者

 宮坂建設工業(帯広、宮坂寿文社長)は、山岳トンネル現場における労災事故防止に向けて、全国で初めて岩塊の落下にも耐えるトンネル作業員保護機「ロックプロテクター」を日立建機日本(埼玉)と共同で開発した。同社は「トンネル工事におけるリスクを防ぎ、作業員の安全確保につなげることができれば」としている。(廣田佳那)

 ロックプロテクターは、掘削機械(バックホウ)のアタッチメント(先端)部分に幅1・7メートル、奥行き1・8メートル、高さ2メートルの作業床(マンゲージ)を設置。高さ9・2メートルまで上げることができ、基本的にマンゲージ内は操作担当と掘削担当の作業員2人で使用する。

 山岳トンネル工事では、岩盤の剥離などによる重大事故の発生が懸念されている。特に、トンネル掘削の最前線である切羽(きりは)では、高所作業車などを使った人力作業が必要になり、頭上の落石など労災事故発生のリスクがある。

 同社は2017年に日立建機日本と協力しプロジェクトチームを結成。マンゲージの形状など独自に設計を進め、20年には試作機を使った岩塊の落下試験を実施。554キロの仮想岩塊を高さ2・8メートルから落下させ、マンゲージの岩塊落下への耐性を確認した。今後は同社のトンネル工事に導入予定とし、同業他社から使用要請の照会もあるという。

 26日、市内の同社帯広総合工事事務所で同社社員や日立建機日本から計11人が集まり、お披露目した。土木部の岡本雅之工事部長は「今後も現場の声を取り入れながら改良していく。道路トンネルなど幅広い現場での活用を検討していく」と話していた。

関連写真

  • 岩塊落下にも耐えるマンゲージ

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  • 国内で初めて開発されたロックプロテクター

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  • 9・2メートルの高さまで上がるロックプロテクター

    9・2メートルの高さまで上がるロックプロテクター

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