観光施設3D化や特産発信 LAND奨学金に帯畜大生ら3人
とかち財団(金山紀久理事長)は、今年度の「学生起業家育成奨学金」に帯広畜産大学など道内の学生3人を選んだ。活動資金としてそれぞれ計20万円が支給される。学生は5カ月間かけ、実際の商品販売やバーチャル観光など、応募時に提案したビジネスプランの具体化や精査に取り組む。(児玉未知佳)
この奨学金は、十勝を拠点としたり、十勝の資源や地域特性を生かしたりしたビジネスプランを構想する学生が対象。7年目となる今年は全国から8人の応募があった。
選ばれたのは帯広畜産大3年の木原淳兵さん(20)、同博士課程2年のシリヤー・トライチョークさん(29)、北大大学院修士1年の齊藤成輝さん(23)。12日に帯広市内のLANDで開かれた採択者発表会で、応募の動機やビジネスプランについて説明した。
木原さんはソーシャルビジネス的な視点から、適正価格で買い取ったガーナのシアバターを使用したハンドクリームを開発。原料には畜大牛乳を配合し、製造過程などで管内の就労支援事業所との連携も考えている。
トライチョークさんは、十勝観光の発展を将来的な目標に掲げ、事業者と連携した体験型コンテンツの造成を目指している。奨学金支給期間の5カ月では、十勝の特産品を詰め合わせた商品をネットなどで販売し、実際の来訪につながる魅力発信を行う。
齊籐さんは、「遠いから失敗したくない」という思いが北海道観光のハードルになっていると分析。旅行前後に施設を詳しく見て回れるよう、地方の観光施設を3D空間上に再現したバーチャル店舗の開発と運営を行う。
金山理事長は「学業と並行して、短い期間でプランをブラッシュアップするのは大変かもしれないが、起業創業のノウハウを学ぶ機会になる。これからの頑張りに期待したい」とエールを送った。11月に成果報告会を行う。