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フジコ・ヘミングさん死去、市内の老人ホームで交流 思い出の色紙も

サインとキスマークが入った2枚の色紙を持つ加賀谷園長。「2016」と書き間違え(右)、改めて「2015」(左)と書き直した

 4月21日に92歳で死去したことが明らかになったピアニストのフジコ・ヘミングさん。2015年10月には帯広公演(帯広市民文化ホール)に合わせて来帯。帯広市内の介護付き老人ホームも訪問し、職員らとも交流を深めた。当時を知る人らは、突然の訃報に肩を落とす。

 ヘミングさんは15年10月12日、同市内の介護付き老人ホーム「シルバーシティ十勝おびひろ」(西6南10)を訪れ、当時、同施設で開かれていたヘミングさんの「写真展&リトグラフ展」を観覧。職員らとの記念撮影にも気さくに応じた。

 ヘミングさんの訪問は、写真を撮影した写真家・中嶌英雄さんと、同施設を運営する太平洋シルバーサービス北海道(釧路)の元役員が親交があったことから実現した。

シルバーシティ十勝おびひろの職員らと記念撮影に応じるフジコ・ヘミングさん(中央、2015年10月12日)

 加賀谷功園長は「(当時の職員らは)最初は(ヘミングさんを)よく知らなかったが、世界的に有名なピアニストと分かり、みな驚いていた」とし、「気さくに接していただき、楽しい時間だった、と(当時の職員らから)聞いている」と話す。

 同施設には、ヘミングさんの色紙が2枚ある。1枚目は、訪問した年を誤って「2016年」と記されたもの。ヘミングさんが帯広を訪れた足跡として、正規の訪問年「2015年」と記入された色紙と色あせない記憶とともに、今も大切に保管されている。(松岡秀宜、細谷敦生)

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