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音楽に対する広い視点~人の気配

「FRIENDSHIP.」のタイラダイスケさん

 音楽をリリースする方法、聴く方法は、常に移り変わっていく。数年前まで主流だったものが、今は過去のことになっている事例も少なくない。ミュージシャンという職業柄、その流れを無視するわけにいかないが、そのスピードに少し疲れることもある。

 そんなときはレコードに針を落とし、ゆっくりと好きな音楽を楽しむ。不思議なことだが、そうすることで、再び便利な配信サービスで音楽を聴き、自分の新曲を配信リリースするための打ち合わせにも集中することができるのだ。要するに、いろんな角度からの視点を持つということだろうか。

 現在、僕の配信リリース元となっている「FRIENDSHIP.」のタイラダイスケさんが、今回の主役。今でこそ、ミュージシャンと配信担当という関係だが、もうすぐ出会って20年になる古い友人でもある。彼はクラブで音楽をかけるDJとしても活動しており、またライブハウスのブッキングマネージャーをしていた経歴もあるため、音楽業界での顔は広い。

 音が鳴る現場の必要性や、普段の生活における音楽の役割、音楽家が命を削って創る音楽そのものや、それを使って人々を楽しませるDJの考え方。いろんな角度から音楽に触れてきたからこそ、現在の仕事にも生きる感性があるだろう。そして、僕はそこに信頼を置いているのだ。僕の音楽における新しい挑戦や、変わらない歌声を、彼は褒めてくれる。信頼している友人からの声が力になることは言うまでもない。

 彼が配信リリースをしてくれた『Joy』を含む新作「KOKORO EP」も、CDとして発売したばかり。ここでもまた、配信で気軽に音楽を楽しんでほしい気持ちと、モノとして手元に置いてほしい気持ちが共存している。音楽の楽しみ方はひとつではない。(第2木曜日掲載)


<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続ける。V6への楽曲提供が話題になるなか、ニューアルバム『Chase Af-ter』をリリース。

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