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厚生病院に空調国際表彰 冷房廃熱、温熱源に利用でガス燃料消費を削減

シカゴで行われた授賞式。左から3人目が西本会長、同2人目が大瀧院長(JA道厚生連ホームページから)

 帯広厚生病院(大瀧雅文院長)が、空気調和や冷暖房に関する国際的な学会「アメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE)」のテクノロジーアワードで最優秀賞を受賞した。院内の冷房廃熱を回収・温熱源に利用することで、ガス燃料消費量の大幅な削減を実現したことなどが評価された。国内の医療施設の受賞は初になるという。(松岡秀宜)

 同学会のテクノロジーアワードは、省エネルギーや快適性、周辺環境の調和、居住者の健康などについて「高いレベルで実現した環境建築」に対する表彰制度。業務用建築・公共建築・医療施設・産業施設などの6部門や各カテゴリーの第1位の中から、最優秀賞を選出する。医療施設部門第1位だった同病院が「最優秀賞」に輝いた。

 年間を通じて、給湯加熱や暖房用の温熱源を必要とする医療施設の多くは、電気室や冷蔵庫などから、冷房廃熱を大気に放出している現状がある-という。2018年に移転・新築した現在の同病院では、これらの冷房排熱を回収し、温熱を供給するシステムを採用。大幅なガス燃料消費量削減を実現した。

「アメリカ暖房冷凍空調学会」のテクノロジーアワード・最優秀賞を受賞した帯広厚生病院

 この取り組みが「二酸化炭素排出量の抑制に成功し、脱炭素社会の実現に貢献できる技術であることを証明した」などと、カーボンニュートラルを目指す世界にも評価された。国内からの最優秀賞受賞は、同病院で3例目。

 同病院によると、熱回収ヒートポンプ(HP)と呼ばれる機器が冷水をつくりながら、その廃熱を利用して温水も製造する。施設全体の暖房機器能力のうち、熱回収HPが温熱需要のうち58%を供給し、暖房用温水に必要なガス代の58%を削減した。「外気温の最低気温が0度以上なら、ガスボイラーをたく必要がほとんどない」(同病院)という。

 米・シカゴで20日に行われた授賞式には、JA道厚生連の西本護会長、大瀧院長らが出席した。

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