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児童虐待297件 過去最多 「心理的」が半数 児童相談所

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 十勝管内19市町村を管轄する帯広児童相談所(中村育恵所長)は10日、昨年度の児童虐待対応件数が297件(前年度比7件増)となり、1990年度の統計開始以来、過去最多を更新したと発表した。これまでの最多は2018年度の296件。同所は増加の理由について「児童虐待そのものが増えたというわけではなく、昨今の報道などによって市民が児童虐待への関心を高めて通報数が多くなり、潜在化していた虐待が明るみに出てきたからではないか」と推測している。(山田夏航)

 昨年度の内訳は、言葉による脅迫などで子どもの心を傷つける心理的虐待が144件で、ほぼ半数を占める。子どもの目の前で配偶者同士が暴言・暴力を振るうことも「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」として心理的虐待に計上される。身体的虐待は84件、ネグレクトは67件、性的虐待は2件となり、前年度とおおむね同様の構成比だった。

 通報を受けた経路では、警察署からが例年同様、最も多く138件。家族・親戚による通報は24件で、近隣・知人は29件だった。

 また、同所によると、全国における昨年度の児童虐待対応件数は、21万9170件(前年度比1万1510件増)で、こちらも過去最多に。全道は5930件(同492件減)。いずれの地域別で見ても、高い水準で推移している。

 同所の七條公英地域支援課長は「虐待を未然に防止するためには、各自治体との連携強化が必要不可欠」とし、「将来、虐待が起こり得る可能性をはらむ家庭に対し、児童相談所と各自治体がより迅速に見守り活動をすることによって、少しでも虐待を受ける子どもの数を減らしていきたい」と話している。

 11月はこども家庭庁が推進する「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」の期間となる。同所では同月1日にイオン帯広店(西4南20)、イトーヨーカドー帯広店(稲田南8線西10)付近で児童虐待防止を訴える啓発を実施する予定だ。

 七條課長は「多くの方に児童虐待問題への関心を抱いてもらう機会になれば」と期待している。

<児童相談所>
 各都道府県や指定都市などが設置する行政機関。18歳未満の子どもに関する相談に応じ、親や子どもへ助言指導などの継続的な援助を行う。虐待を見たり聞いたりした時は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」へ。

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