「ゼロカーボン」で明るい未来を 振興局がセミナー
十勝総合振興局は、帯広市内のとかちプラザ(西4南13)で、温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボン」に関心を持ってもらおうと「今と未来をつなぐゼロカーボンセミナー」を開いた。41人が講師の話に耳を傾けた。
セミナー前段では、室蘭工業大学大学院工学研究科の高瀬舞准教授が、「明るい未来をつくるため、ゼロカーボンの大切さをどれだけ伝えられるかが大事」と語った。一方で、ごみ袋として使っていたレジ袋が有料化し、店で購入するようになった自らの生活に触れ、参加者に思考を促した。
後段では北海道地球温暖化防止活動推進員の高桑衣佳さん(芽室町)が温暖化による社会の変化を紹介。釧路管内白糠町が近年水揚げされるようになったブリを「極寒ブリ」としてブランド化していることなどを取り上げ、変化を受け入れて温暖化に合わせた経済活動を営む必要性を訴えた。
参加者からは「人工樹木を開発できないのか」「原発が有効なのでは」などの質問が上がった。2人はそれぞれの知見から「今の人工植物では植物に勝てない」(高瀬准教授)、「温暖化対策としては有効だが、さまざまな問題を抱える原発には慎重になる必要がある」(高桑さん)と述べた。セミナーは3月9日に開催された。(柳田輝)