宇梶剛士さん来帯 映画「永遠ノ矢」舞台あいさつで
アイヌ民族をルーツに持つ青年が、自分自身と向き合い葛藤しながら成長する姿を描いた映画「永遠ノ矢(トワノアイ)」が、帯広市内のシネマ太陽帯広(西3南11)で上映されている。脚本・演出を手掛け、出演もしている俳優の宇梶剛士さん(59)が4日、舞台あいさつで同館を訪れた。
同作は2021年に釧路市で公演された舞台の上演記録。元々予定していた道内7カ所の舞台公演がコロナ禍で3カ所に減少したため、観劇できなかった多くの北海道の人たちに届ける目的で映画化された。
物語は東京で生まれ育った主人公の青年が、家を出て北海道で暮らす兄を来訪するところから始まる。主人公は地元住民と関わる中で、自身にアイヌ民族の血が流れていることを知り、生き方を見詰め直すというストーリー。
舞台あいさつで宇梶さんは「本作はどんなに赤字になっても絶対に北海道で公演しようと強い気持ちを持って挑んだ作品」と話し、「心が空っぽな主人公は自分の青春時代とも重なる。終盤にかけて成長していく主人公の姿を描いた」と語った。
浦幌町から訪れた山田千彩さん(18)は上映終了後、大ファンの宇梶さんに会えた喜びに浸りながら、「アイヌ民族の歴史を改めて学ぶことができた。迫力ある演出もあってとても楽しめた」と話した。
上映は9日まで。問い合わせはシネマ太陽帯広(0155・20・1525)へ。(山田夏航)