知床行きキャンセルも 十勝の旅行業者は影響懸念 観光船事故
知床半島沖で小型観光船が遭難した事故を受けて、知床を訪れるツアーのキャンセルが出始めている。十勝から知床へ行くツアーの人気は高く、知床から道東・十勝へ足を伸ばす旅行客も多い。大型連休と、旅行助成事業「どうみん割」が再開する連休後には、観光需要の回復が期待される中、旅行事業者らは十勝への影響を懸念している。
つたいトラベルサービス(帯広市、蔦井秀則社長)は、帯広から知床方面へのバスツアーを毎年春から秋にかけて実施。観光船の乗船は別途料金を支払うオプショナルツアーだが、参加者の8~9割が付ける人気のプランで、事故が起きた「知床遊覧船」に乗船することもあったという。
十勝での新型コロナウイルス感染拡大により、大型連休中はツアーの中止を決めていたが、連休明けに再開する予定。今後の乗船について、「安全性が確保された段階でオプションに組み込みたい」(蔦井社長)とした。
各旅行会社からは知床、釧路、十勝など道東を周遊するプランが販売されている。大手旅行会社クラブツーリズムは、知床と帯広市内のホテル、池田町のワイン城などを訪れるプランなどを扱っているが、知床行きのツアー全般にキャンセルが出ているという。
名鉄観光はコロナ禍で知床へのツアーは実施していないが、「道東一体で訪れる人は多い。夏に向けて集客のピークを迎えるが影響は避けられない」(土山直樹帯広支店長)とする。
十勝観光連盟(十観連)は道東4観光連盟による協議会で、パンフレットやSNSによる誘致に取り組んできた。十観連の梅村明事務局長は「道東や北海道への旅行が敬遠されないことを願う」と話していた。(大海雪乃)
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