中学女子野球ウイッシュの3人 硬式女子野球部のある高校へ進学
道内に硬式女子野球部があるのは札幌新陽高、駒大苫小牧高で、栗山高は今春に同好会を立ち上げて創部を目指す。栗山高は侍ジャパン女子代表の内野手としてワールドカップに6大会出場し、主将や4番打者で5連覇に貢献するなど日本の女子野球界を引っ張ってきた金由起子氏が監督としてけん引する。森と辻は「金監督から教われることが決め手の一つ」と話し、第1期生として歴史と伝統をつくる。
新津は昨秋に行われた札幌新陽高での野球体験会で練習を体感し、「チームの雰囲気、練習のしやすさが自分に合っている」と進学を決めた。
新津と辻は少年団で野球をしていたが、中学では野球部に入らず、2年間ほど野球から離れた時期があった。2人はこの期間に野球に対する思いを再認識し、高校で野球をするためウイッシュ結成を機に野球を再開した。
長打力が魅力の新津は身長166センチと体格に恵まれた外野手。佐々木監督は「スタンドインできるほどの打力を秘めている」と今後の成長に期待している。
度胸があり積極的なプレーが持ち味の辻も外野手。復帰後もそのスタイルを変えず、昨年8月に行われた旭川の交流大会でライナー性の打球をダイビングキャッチして併殺にするなどチームを盛り上げ、優勝に導いた。
森は小学生から野球を始め、中学でも野球部に入り続けた。1年生時には体力面などで男子と差を感じ、女子1人という環境もあってやめたいと思う時期があった。それでも「ここでやめたら後悔する」と踏ん張り、二塁手としてレギュラーをつかんだ。ウイッシュでは外野手を務め、練習はコロナ禍でほとんどできなかったが、チームが一つにまとまったのは責任感が強く、抜群の協調性と気配りを持つ森が主将を務めたからこそ。
佐々木監督は「1期生全員が野球を続ける選択をしたのはうれしい。ウイッシュの存在が次代につながる道をつくった。それぞれの良さを伸ばして高校でプレーしてほしい」と3人の活躍に期待を込めた。