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「カーリングに恩返し」元日本代表の大野さん 郷里帯広で後進育成

カーリングの普及に努める元日本代表の大野さん(金野和彦撮影)

 カーリングの元日本代表で、帯広カーリング協会の大野福公さん(36)は、北京五輪を特別な思いで見守っている。人生の目標だった北京の切符は逃したが、帰郷してから後進の育成や解説などを通じて、競技の普及に力を注いでいる。
(牧内奏)

 帯広川西小、川西中、帯柏葉高、帯畜大卒。大学の部活動勧誘で、手にしたチラシに書かれていた「オリンピックに行けるよ!」の文字にやる気を誘われたのが、カーリングとの出会いだった。

 冬は上川管内南富良野町の屋内リンクに週5日通うほど熱中した。2007年には屋内リンク「カールプレックスおびひろ」が市内に完成。通年利用できる国内有数の施設は合宿で訪れる強豪チームも多く、そのプレーを間近で学んだ。

 帯広市役所に就職後、第2回世界ミックスダブルス選手権大会(2009年、イタリア)に23歳で代表として出場。第1回ミックス選手権(15年、スイス)は、北京五輪の日本女子チームのリザーブ石崎琴美さん(帯南商高卒、ロコ・ソラーレ所属)と共に戦った。このとき石崎さんはすでにソルトレークシティー、バンクーバー五輪の経験者。「心構え、身体のケアなど、どれ一つとってもアスリートだった」と振り返る。

 数々の世界大会を経験しし、石崎さんら一流アスリートと間近に触れ合ったことが、大野さんに五輪をより意識させた。そのタイミングで、強豪チームのSC軽井沢クラブ(長野)から声が掛かった。「何としてもオリンピックに行きたい」。市役所を退職し、18年に同クラブに所属してからは、夏はゴルフ場に勤務、冬は練習に時間を割いた。目指すは4年後の北京。その一心で取り組んだ。

 しかし、21年2月の日本選手権は4位。北京の地を踏むことはなかった。「燃え尽きた」。約3年間所属したクラブを後にし、昨年7月に帯広に帰郷した。

 悔しさのあまり、やる気が起きない時期もあったが、今は経験を生かして「カーリング界に恩返しをしたい」と話す。インストラクターやジュニアの指導を務める他、動画投稿サイト「ユーチューブ」のチャンネル「大福CurlingTV」で解説などを行う。大野さんは「今回の五輪をきっかけに、子どもの競技人口が増えてくれたらうれしい」と期待を込める。

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