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直接会える、制限緩和の動き 管内高齢者施設

パーテーションなしの居室面会が再開され、面会前に手を洗う(左から)加藤昭司さんと娘の順子さん(25日、帯広慈恩の里)

 十勝で新型コロナウイルスの患者が出ていない状況が続く中、管内の高齢者施設ではオンラインが主だった入所者と家族の面会制限を緩和する動きが出ている。一方で「感染リスクを増やしたくない」と大幅な緩和に踏み切れない施設もあり、長引くコロナ禍で難しい判断を迫られている。

慈恩の里「入所者の健康につながる」
 帯広市内の特別養護老人ホーム帯広慈恩の里(上杉正和施設長)では25日、パーティションを使用しない居室での面会を再開した。入所している加藤照子さん(88)と面会した夫昭司さん(92)と長女の千葉順子さん(62)は「直接会えてうれしかった。窓越しやウェブでの面会に比べ、反応がとても良かった。ほほ笑んでくれた」と声を弾ませた。

 同施設では10月下旬から面談室でビニールシート越しの面会を再開、そこからさらに踏み込んだ。居室面会は、道内在住で2回のワクチン接種を済ませている家族2人までを対象とし、時間は15分以内に限定。マスク着用や一定の距離を保つなどの感染対策を義務付けた。

 管内では29日現在、53日連続でコロナの新規感染者はゼロ。上杉施設長は居室面会について「コロナ禍が1年半以上に及び、家族の強い要望に応えた。入所されている方の心身の健康にもつながる。管内で再び患者が出るなど、状況が変わった場合は対応を変更する」としている。

 管内の多くの施設はこれまで、スマートフォンを使ったオンライン面会や窓越しの面会などを行ってきた。9月末で緊急事態宣言が解除され、10月以降は仕切りを介した面会の再開が増えている。

「どこで線引き」悩み
家族2人10分間 アクリル越し 太陽園

 市内の特養太陽園(杉野全由施設長)でも10月中旬から、アクリル板越しの面会を始めた。管内在住の家族2人を対象に、制限時間10分で実施。杉野施設長は「入所者やご家族には喜んでもらえている」とするが、「さらに緩和するのは難しい。インフルエンザも心配なので、春までは現状のままでは」と話す。

思わしくない入所者に限定 しゃくなげ荘
 鹿追町の特養しゃくなげ荘(山本進施設長)では15日から、状態の思わしくない入所者に限り、パーティションを立てた状態の面会を許可した。家族はマスクに加え、フェースシールドを着用する。ただ、その他の入所者はオンラインや窓越しの面会を継続。同施設では職員、利用者ともに感染者は出ていないが、山本施設長は「職員が、感染者を出してはいけないと神経をすり減らしている点を優先している」と考えを示した。

 感染者が出た別の管内高齢者施設の事務長は「再び感染者を出してはいけないという思いはあるが、お年寄りや家族が喜ぶ顔は見たい。面会の線引きをどこにするかは苦渋の選択だ」と頭を悩ませる。

「できる範囲で」 十勝老福施設協
 十勝老人福祉施設協議会の成田啓介会長(特養札内寮施設長)は「施設ごとに状況やソフト、ハード面が異なり、協議会として方針の一本化はできない」としつつも、「お年寄りは感染すれば重症化しやすいが、高齢者施設は医療機関とは異なり、生活の場と言える。できる範囲で施設利用者と家族が会える環境をつくってもらえれば」と話している。(松村智裕)

関連写真

  • 面談室に設置されたビニールシート。25日からはパーテーションなしの居室面会が再開された(帯広慈恩の里)

    面談室に設置されたビニールシート。25日からはパーテーションなしの居室面会が再開された(帯広慈恩の里)

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