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清水で1日7000台「命の道」 道東道 道央直結10年

道央と直結して29日で丸10年を迎えた道東道十勝清水IC付近(ドローンで塩原真撮影)

 道東自動車道の夕張インターチェンジ(IC)-占冠IC間が開通し、十勝と道央が直結して29日で丸10年を迎えた。観光や物流、救急搬送など多方面で地域振興に貢献。2016年の台風災害時は国道や鉄道が長期間不通となる中、「命の道」として大きな役割を果たした。4車線化や長流枝スマートICの設置も進められ、さらなる利便性の向上が期待される。24年度には阿寒-釧路西間が開通して釧路と直結、今年7月に足寄-陸別間の事業再開も決まり、北見との直結にもめどが立った。高速道路のネットワーク化が着実に進んでいる。

 道東道は1995年10月の十勝清水-池田間が開通。当初は通行量が少なく、「車よりクマが多い道路」とやゆされた。2007年にトマム-十勝清水間が開通し、交通の難所と言われる日勝峠の回避が可能に。09年に占冠-トマム間、11年10月29日に夕張-占冠間が開通し、道央と直結した。トマム-十勝清水間の日平均交通量は08年度の2300台から19年度には7600台に増加。20年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で7100台だった。

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 帯広-札幌間の所要時間はすべて一般道を利用する場合と比べて約80分短縮され約3時間に。走行環境も良く、交通事故の減少にも貢献している。

 十勝への観光入り込みは10年度に約903万人だったが、新型コロナ流行前の19年度には約1026万人に増加。物流環境が向上し、IC付近の工業団地への企業進出や外食産業の帯広出店などにもつながった。

 16年台風災害時は、日勝峠や狩勝峠、JRが被災し、長期間不通となった。道東道も約70カ所で被害があったが、地元協力会社の協力もあって1日半で復旧。国道やJRの代替路として、通行無料措置を取った。

高速ネットワーク充実へ 恵庭―清水 進む4車線化
 台風被害を機に、4車線化の必要性がさらに高まり、国は19年、千歳恵庭ジャンクション(JCT)-十勝清水間について、10~15年かけて優先的に4車線化を進める計画を公表。トマム-十勝清水間(約20・9キロ)は19年に9・5キロ部分の事業許可が下り、そのうち3・1キロ部分は同年9月に4車線化された。残る6・4キロ部分の道路本体工事の前段に当たる付帯工工事が行われている。今年3月には同区間で最長のトンネルである狩勝第2トンネル(2576メートル)を含む3・2キロ部分で、新たに4車線化の事業許可が下りた。

 占冠-トマム間(26・2キロ)も20年に、すでに4車線化されている区間を除いた19・9キロ部分の事業許可が下りている。

 利便性向上に向け、19年に音更帯広-池田間に長流枝スマートICの設置も決まり、事業が進められている。今年8月にはトマム-十勝清水間で整備構想のある新得スマートICが、事業許可の前の段階に当たる「準備段階調査箇所」に選ばれた。

 ネクスコ東日本北海道支社帯広管理事務所の生方也寸志所長は「たくさんの利用をいただき、交通量は着実に伸び、観光、物流、医療などの面で貢献できている。今後も24時間365日、安全・安心・快適・便利な高速道路を提供していきたい」と話している。(津田恭平)

<後日、道央直結効果の検証記事を予定>

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