帯広から人力車で日本縦断3000キロの旅 京都出身の鈴木さんが出発
人力車を引きながら世界一周を目指している京都市出身の鈴木悠司さん(31)が11日、帯広から沖縄まで日本列島を縦断する旅をスタートさせた。出発前夜の10日は市内でセレモニーが開かれ、支援者らが激励。鈴木さんは「コロナ禍の中、自分が明るい話題を作り、皆さんに希望や勇気を届けたい」と意気込んだ。
鈴木さんは大学卒業後、夢だった世界一周の資金稼ぎのため上京。東京・浅草で見た人力車に一目ぼれし、車夫として働いている。
モットーは「Just for fun(ただ楽しむために)」。2016年9月から世界一周を始め、人力車を引いてインドや東南アジア、西欧など11カ国を断続的に旅してきた。
米国横断中に新型コロナウイルスの感染が拡大し、旅はいったん中断。再開できる見込みが立たない中、「コロナのせいで暗くなった世界を少しでも明るくしたい」と、昨年は青森県大間町から浅草まで約1000キロを1カ月で踏破。「人力車は人を引き寄せるパワーがある」と、コロナ禍でもすれ違う人たちから食事に招かれたり、家に泊めさせてもらったり、優しさに触れる日々だったという。
今回の日本縦断の旅は、「日本の知られざる魅力を見つけて発信したい」と日本海側をルートに選んだ。全国に18拠点を持つ「熱中小学校」(東京)の支援を受けながらの挑戦で、帯広をスタート地点に選んだ。3日ごとにPCR検査を受けながら、沖縄市まで3カ月かけて約3000キロを歩き通す予定だ。
10日に帯広市内のLANDで開かれた出発セレモニーには法被に半股引(ももひき)、地下足袋の装いで登場。熱中小学校の創設者堀田一芙さん(横浜市)、とかち熱中小学校の長澤秀行校長らが駆け付けた他、出発地の首長として米沢則寿市長が「十勝で感じたことを各地の人たちに伝えてほしい」と激励した。鈴木さんは「まっすぐに自分を信じて歩き、また笑顔で帯広に帰ってきたい」と語った。
旅の様子はインスタグラム(@rickshawsgump)などで配信している。(高田晃太郎)