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社会派番組で帯三条・帯緑陽放送局が上位入賞 NHKコン道大会

上位入賞を果たした帯広三条高の(左から)近藤采さん(1年)、堀井局長、鈴木副局長、小川創さん(1年)

 道高文連第45回全道高校放送発表大会兼第68回NHK杯全国高校放送コンテスト道大会(6月16~19日・北見市)で、帯広三条高校がラジオドキュメント部門で最優秀に選ばれるなど、帯広緑陽高校とともに上位入賞を果たした。両校は7月末まで東京で開かれる全国大会の出場権を得、データによる審査を受ける。(高田晃太郎)

ラジオドキュメント最優秀 三条
 帯広三条高放送局(堀井咲良局長、局員4人)は2部門で入賞し、13年連続で全国大会への切符を得た。

 ラジオドキュメント部門で最優秀賞の「教室のnon」は、NHK北海道が今春放送した番組を見て、札幌市の小中学校で劣悪な環境で働くALT(外国語指導助手)がいることを知り、「私たちにとっても身近な存在だけに実態が知りたい」(堀井局長)と取材を始めた。

 札幌地域労組を通じ、8人のALTをテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」で取材。自治体の直接雇用ではなく、派遣会社を通すことでワーキングプアとして働いている実態を明らかにした。「子どもの未来のためにお金でサポートできないのはつらい」という切実な声もあり、堀井局長(2年)は「普段は笑顔のALTが実は貧困にあえいでいると知りショックだった。多くの人に知ってほしい問題」と話す。

 テレビドキュメント部門では、子ども向け医療用かつら(ウィッグ)のため毛髪を寄付する「ヘアドネーション」をテーマに「12時過ぎのシンデレラ」を制作し、優秀賞に選ばれた。

 2014年に同局が制作し、全国的に話題になった「髪の絆」の続編とも言える内容で、監督の鈴木沙有理副局長(2年)は「(7年前の)先輩と、今回取材に応じてくれた人たちの思いに応えようと、睡眠時間を削り、100時間以上かけて編集した」と振り返り、「ウィッグをかぶってもかぶらなくても、ありのままの自分でいられる社会を目指したい」と語る。

テレビドキュメント部門の番組制作の中心となった帯広緑陽高の氷見局長(左)とアナウンス部門入賞の三品さん

テレビドキュメント優秀賞 緑陽
 帯広緑陽高放送局(氷見友香局長、局員9人)は2部門で入賞。テレビドキュメント部門で優秀賞の「できないから、できること」では、水道がなく、水くみが子どもたちの仕事になっている途上国への支援方法を考えた。

 学校から帯広空港まで10リットルの水を運んでみたり、井戸を掘ってみたりと、水道がない苦労を身をもって体験。だが、解決策を探る中で、バングラデシュで35年間支援活動を続ける埼玉県の日本人から「現地住民にとっては大きなお世話」と指摘され、行動を起こすだけでなく、自分たちが節水を心掛けるなど考え方を変えることが必要だと気付かされたという。

 今回で引退する氷見局長(3年)は「井戸を掘るだけが支援ではない。番組作りを通して私の考え方も大きく変わった」と振り返った。

 このほかアナウンス部門では三品桜世(さよ)さん(2年)が入賞した。

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