勇姿を心待ち 永原選手の女子ダブルス五輪代表決定 地元でも喜びの声
バドミントン女子ダブルスの東京五輪日本代表に、芽室町出身の永原和可那選手(25)が選ばれた。十勝のバドミントン界からは初選出で、関係者から快挙をたたえる声が上がっている。
永原選手の芽室中時代の恩師・澤田初穂さん(47)=帯広第四中教頭=は「社会人の今に至るまで挫折や葛藤もあった。小さな積み重ねが、五輪日本代表という結果につながった」と感慨深げだ。
中学時代の十勝や全道の強化合宿では、練習もさることながら食事会場での振る舞いが印象に残っているという。ご飯やみそ汁は皆の分を配膳係のようによそった。皿洗いも率先して行う姿を見て、後輩たちも体づくりのため多く食べ、準備や後片付けにも気を配るように。「気遣いができるのは周りがよく見えているから。プレーにも生きる」と澤田さんは話す。
永原選手の存在が、コロナ禍で思うように活動できない十勝の小・中学生らを前向きな気持ちにさせ、「夢や励みになってほしい」と願う。
芽室町バドミントン少年団の青山和彦代表(74)は「五輪開催が延びてモチベーションの心配もあったが、目標に向かって一生懸命頑張っていた。勇姿を心待ちにしている」と期待を込める。
十勝バドミントン協会の林浩史会長(53)は「永原さんの活躍はバドミントンだけにとどまらず、多くの地元スポーツ関係者に希望を与える。2度の世界チャンピオンに輝いた実力を発揮し、オリンピックでも頂点に」と話す。同協会前会長の森田精一さん(80)も「選ばれて本当に良かった。永原選手らは金メダルを狙うだけの実力がある」と健闘を祈った。
同協会少年団部では今後、交流会開催も視野に入れており、西山幸子部長(59)は「五輪で活躍する選手を目の当たりにすることが、子どもたちへの一番いい刺激になる」と実現へ意欲を見せる。
芽室町の手島旭町長(54)は、五輪内定が出てすぐ永原選手の母へ喜びの電話をしたという。「コロナや五輪開催に関し複雑な心境もあるかと思うが、町として非常にうれしいニュース」とし、「町からの夏の五輪代表選出は初めて。国や町民に元気を与えるプレーを」と願った。(北雅貴、伊藤亮太、細谷敦生、大木祐介、石川彩乃)