サクラマス養殖試験2年目スタート 大樹
【大樹】サクラマス養殖飼育試験が13日、旭浜漁港内で始まった。2年目の今年度は規模を拡大し、海中いけすが1基から4基に増加。従来の6倍ほどの約2370匹を飼育する。
十勝でのサケ・マス類の養殖試験は初の試みで3カ年計画。秋サケなど主力魚種の不漁が続く中、新たな事業としての可能性を探ることを目的としている。
大樹漁協(神山久典組合長)の若手漁師による大樹サクラマス養殖事業化研究会(高橋良典会長)が実施主体となる。
昨年度は362匹を投入したが、9月の大しけで多くの魚が死滅した。10月から新たに49匹を飼育し、12月に水揚げして重量などを測定した。
いけすは1基が5メートル四方で、今年度は強度を高め、しけで網が動かないよう重しを付けるなど対策を施した。設置場所も昨年度に比べて波当たりが弱い場所に変更した。
この日は管内の民間業者から購入した稚魚約2000匹(70~170グラム)を大型ホースやバケツを使って慎重にいけすへ投入した。前日にはさけ・ます内水面水産試験場(恵庭市)から運んだ369匹(平均230グラム)を放した。
「今年は1・5キロ以上に育てたい」
今年度は自動給餌装置を新たに導入する。いけすは当面3基を使用し、7月中旬ごろの重量測定後、大きな魚だけを選別して空いている1基に移す考え。12月まで飼育する予定。
高橋会長は「昨年の経験を踏まえて網の強化などを行った。状況を注視しながら養殖を進め、今年は1・5キロ以上に育てたい」と意欲を示している。(松村智裕)