ばんえい競馬2020年度売り上げ 過去最高の483億円
インターネット投票が大幅増
帯広市が主催するばんえい競馬は21日、2020年度の全日程(150日間)を終えた。今年度の馬券発売額は前年度比55・6%増の483億5278万円で、市の単独開催となった07年度以来の最高額を記録し、旭川、北見、岩見沢との4市主催時の最高発売額だった1991年度の322億9248万円も大きく上回った。新型コロナウイルスの影響による「巣ごもり」需要が増えたとみられ、インターネット投票による発売額が大幅に伸び、全体の9割以上を占めた。
最終日の21日は4億5924万円を販売し、中でも最高峰の「ばんえい記念」は1レースで1億3652万円を売り上げた。
馬券発売額は2012年度から右肩上がりで推移。新型コロナの影響で新年度当初は無観客で開催し、昨年7月から観客を入れてレースを実施した。1日平均の発売額は56・6%増の3億2235万円だった。
中でもネット発売は68・1%増の444億5402万円で全体の91・9%。南関東4競馬場のネット投票システム「SPAT4」が73・5%増の176億2694万円、楽天が58・7%増の122億7475万円、オッズパークが69・8%増の141億7322万円だった。
一方、帯広競馬場での購入は29・8%減の9億325万円、8カ所の直営場外は11・6%減の15億9689万円、広域発売は9・5%減の13億9860万円だった。帯広競馬場の入場者数は45・8%減の16万1944人だった。
ただ、今年度は年間を通じて好調で、1日の馬券発売額が6億円超えしたのが2回、5億円超えは6回あった。市は今年度、関東や関西圏を中心に、スポーツ紙への馬柱の掲載を増やした。楽天と連動したYouTube動画によるライブ配信などを行っており、市ばんえい振興室は「ばんえい競馬を知らなかった人への認知度が高まり、売り上げを押し上げた」とした上で、「情報発信の取り組みで伸びる余地はある。来年度も魅力を伝えたい」としている。(川野遼介)