遠景近景(32)「更別の霧氷」
厳寒生み出す輝き
更別村の観光資源の一つに真冬の勢雄地区で見られる「霧氷」がある。村の観光パンフレットで紹介されているような自然の造形美をカメラに収めたい-と、二十四節気の「大寒」の朝に周辺を訪れた。
車の温度計は氷点下21度で条件はいいはず。勢雄電信道路を進み、車の窓から絵になりそうな樹木を探してみたがなかなか見つからない。客土を運ぶトラックがひっきりなしに通る中をうろうろしているうち、太陽がどんどん高くなっていく。霧氷が付いている木々を見つけてシャッターを切ったものの、写真の出来栄えは「微妙」。代わりに木々の手前のススキとけあらしを切り取ってみた。
カメラ歴50年以上の阿部義昭さん(71)=村役場村史編さん担当=に聞くと、霧氷の撮影には望遠レンズが欠かせず、時間帯ももっと早いほうがいいとのこと。「蒸気がまとわりついて霜の花が咲いていく様子はドキドキしますよ」との阿部さんの言葉に、リベンジしたい気持ちが湧いてきた。(澤村真理子)
<更別の霧氷>
村勢雄地区の猿別川周辺の湿原で厳しく冷え込んだ朝に、水面から立ち上る水蒸気が草木に付着して出現する。撮影ツアーも組まれるなど全国からカメラマンが訪れる。
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