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放牧牛をシステム管理 来年度実用化へ ズコーシャ

牛の首につけたセンサーから送られる情報を基に、状態を検出する管理システム(ズコーシャ提供)

 帯広市の総合コンサルタント業「ズコーシャ」(高橋宣之社長)は16日、ICT(情報通信技術)を活用して公共牧場の放牧牛の位置情報などを管理するシステムを開発し、実用化にめどが付いたと発表した。同社によると、牛舎で飼っている牛の管理システムはすでに販売されているが、公共牧場の放牧牛については全国的にも先進事例。広大な放牧地での飼養管理の効率化が期待され、来年度中の販売を目指している。

 道内の公共牧場では現状、広大な敷地内を職員が見回り、牛の発育や健康状態、発情発現の有無などを目視で確認している。重労働で、牛の状態を見極められる熟練職員の高齢化が進む中、放牧牛の管理を効率化・自動化することで、職員の負担や求められる熟練度を低減し、公共牧場の機能維持につなげる。

 同社では2018年に、岩手大の岡田啓司教授と共同でICTによる放牧牛管理の効率化に向けた取り組みを開始。精密機器メーカーのアイ・オー・データ機器が開発した牛の首につけるセンサーを用い、今年7~10月に釧路市営牧場で実証実験を行い、発情などの牛の状態検出の実用化にめどを付けた。

 牛の首につけたセンサーから送信された位置情報や活動情報を基に、クラウドサーバー上で演算を行い、牛の状態を検出する。牛の位置や移動履歴、発情や疾病などの異常などが分かる。通信はソニーネットワークコミュニケーションズが展開するパブリック基地局を活用することで、牧場ごとに受信機を設置する必要はない。

 来年5月からの放牧期間で、十勝や根釧地区の公共牧場でさらに実証を重ね、来年度内のシステム販売を目指す。同社IT事業部の山本倫之技術顧問は「地域の畜産を支える公共牧場の課題解決の手伝いができれば」と話している。

 ICTによる放牧牛管理は、十勝農協連やJA士幌町も取り組みを進めている。(津田恭平)

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