十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

屋上に小型飛行機 市内ビル屋上が名物地点に きょう「空の日」

ビル屋上に展示されている思い出の機体と小枝さん

 ビルの屋上に軽飛行機発見! 帯広市中心部の小枝銀座ビル(西1南11)の屋上にたたずむ1機の軽飛行機。この存在に気付いた周辺ホテルの宿泊客らが2014年ごろから、ツイッター上にたびたび写真を投稿し、話題を集めている。近年は人気スマートフォン(スマホ)アプリの“地域の名物地点”にも認定され、スマホを手にビル周辺を訪れる人もいるという。きょう20日は「空の日」-。

 軽飛行機の持ち主は、同ビルを所有する小枝農林(浦幌)の小枝順一社長(69)。40代後半から60代初めにかけて、仕事の傍ら、この機体「セスナ172」に乗って趣味で北海道中を駆け巡っていたというベテランだ。小枝さんは13年にこの趣味にピリオドを打ち、その後は「思い出として」屋上にそのまま愛機を展示している。

 小枝さんは浦幌町出身。幾千世小、幾千世中、道立農業大学校(本別町)を卒業後、家業の農業に従事した。21歳で独立し、現・小枝農林を設立、家畜の飼料販売で事業を拡大した。

 それまでは「特別、飛行機に興味があったわけではない」というが、商売も順調だった28歳の頃、誰しも一度は抱くであろう「空を飛んでみたい」という憧れからウルトラライトプレーンを体験した。その後、空の魅力にとりつかれ、グライダーでアクロバットにも挑戦するなど熱烈な愛好者に。1998年には渡米して自家用操縦士陸上単発の免許も取得。休日は専ら操縦桿(かん)を握り、自由な旅を楽しんだという。

 親交があった北見市のパイロットの航空事故をきっかけに、「けじめとして」空から身を引いたのが7年前。最後のフライトを終えた後、新得町で機体を解体し、クレーン車2台でビル屋上に輸送。再度、専門の整備士が屋上で機体を組み立てた。

 近年は、その物珍しさから、人気スマホアプリ「ポケモンGO」のポケストップ(ゲーム上のアイテムが手に入る、地域の名物地点)にも認定、「屋上に不時着した飛行機」として紹介された。小枝社長は「ポケストップになったのには驚いた。近隣のホテルから撮影した写真を誰かが申請したのでは。飛行機は自分が死ぬまで永久保存しようと思っている」と愛機を眺めて誇らしげだ。(沖田唯可)

<空の日>
 1940年に制定された「航空の日」(9月28日)が始まり。10年に東京で、日本で初めて飛行実験が成功した日から30周年を記念し、航空技術の発展などを願って制定された。その後、9月20日となり、「空の日」として名称を変えた。

更新情報

【写真特集】子どもも親もエキサイト! 広尾でランバイク大会

紙面イメージ

紙面イメージ

5.3(金)の紙面

ダウンロード一括(68MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年5月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME